クローズアップ
第41回保健文化賞を受賞された 松本清一先生
八木 保
,
本誌
pp.883
発行日 1989年11月25日
Published Date 1989/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207717
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保健衛生分野で業績のあった団体・個人に毎年贈られる保健文化賞.今年度の受賞者の一人に,自治医科大学看護短期大学学長の松本清一先生(73)が選ばれた.基礎体温測定法の確立と普及,妊婦教育の推進,思春期外来の開設など,社会のニーズを先取りした活動で母子保健の向上に多大な貢献をなされたことが受賞理由である.
松本先生が産婦人科の社会的側面に関心をもたれたのは,東大の婦人科外来に勤務していた昭和19年,無月経の患者が多いことに驚いたのがきっかけだった.空襲や疎開といった戦時下の環境が無月経をもたらすことに着眼.この「戦時無月経」から月経異常の研究に着手した.長年の研究過程で,女子高校生が生理の悩みを多く訴えることに気づき,やがてこれが思春期外来の開設へと結びついたのである.
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