連載 2冊の本
「セックス神話解体新書」—性現象の深層を衝く/「男と女変わる力学」—家庭・企業・社会
中嶋 真澄
pp.862-863
発行日 1989年10月25日
Published Date 1989/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207710
- 有料閲覧
- 文献概要
社会心理学を専門とし,いわゆるフェミニズム第二世代といわれる著者が「性差別は,科学的根拠のない,ゆえなき差別」であるというとき,著者は「女性が性的奴隷であるという現実は不変のものである」という認識に立っている。しかも,性差別は「悪辣な意図にのみささえられた巨大な社会的陰謀」なのだそうだ。読者がこのような主張を認めるかどうかは別にして,著者によれば,男性による女性の搾取の構造は,現代でもまったく変らないという。
このような前提のもとに,本書では,強姦から売春,性欲,恋愛にいたるまで,性にまつわるあらゆる思い込みを粉砕する作業,すなわち「セックス神話解体」が行なわれる。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.