連載 話の聴ける助産婦になるために・7
カウンセリングによる心の理解
受容的理解
大須賀 克己
1
1日本グロースセンターカウンセリング研究所
pp.850-853
発行日 1988年10月25日
Published Date 1988/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207490
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「受容」を正しく理解する
受容(acceptance)という概念は,カウンセリングにとって大変重要視されています。簡単にいえば,クライエントの相談に対し,こちらが批判やアドバイスをやり過ぎては,クライエントがそれを受けきれない場合がありますので,クライエントの言っているのをよく聴いて受けとめることが大事だということです。
しかし,「受容」が表面的に理解されますと,カウンセリングはまったく浅薄なものになってしまいます。事実,不十分な理解で,カウンセラーの任務にあたっている人も多いと思います。それだけ,受容の本来の意味を理解するのは難しいことなのです。確かに相手を優しく受容することは,精神的に疲れているクライエントに対しては大事ですが,そのためにだけ優しい受容的態度を示そうとするのでは不十分です。
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