産婦人科医療--明日への展開 生殖内分泌学の進歩
クリニカル・トピックス
ホルモン受容体についての臨床理解について
加藤 順三
1
Junzo Kato
1
1山梨医科大学産婦人科学教室
pp.223-225
発行日 1983年3月10日
Published Date 1983/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206780
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我々の産婦人科領城では,ホルモンに反応性又は感受性をもつ組織系を取り扱うことが多い。このホルモン反応性・感受性のメカニズムの基本にホルモン受容体の機能があることは確立しているので,該受容体についての理解が必要である。
ところで,ホルモンには,300位の分子量をもち,安定した立体構造をもつステロイドホルモンと分子量の大きい不安定な蛋白・ペプチドホルモンとがあるが,これらのホルモンの受容機構は基本的には同じである。血中をはこばれてきたホルモン(一次シグナル)は,標的細胞がもつ受容体によって,認識,識別され(discrimi—nate),細胞に高濃度に濃縮された後(増幅,amplify),すなわちホルモンという化学情報が,discriminator (受容体)とamplifier (増幅系)を介して,あらかじめそれぞれの組織・細胞系にセットされて存在する代謝系をon-offして,ホルモン効果がさらに増幅・発現することになる。
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