Medical Scope
ヒステロスコープのCVSへの応用
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.693
発行日 1988年8月25日
Published Date 1988/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207453
- 有料閲覧
- 文献概要
ヒステロスコープhysteroscope子宮鏡という検査法があるのを皆さんは知っているでしょう。これは婦人科の検査法のひとつで,胃カメラのような内視鏡のひとつです。日本ではファイバー・スコープを使った内視鏡のとても優れたものがどんどんと開発されていますが,この子宮鏡のヒステロスコープもその一種で,経膣的に子宮頸管から子宮腔のなかへ内視鏡を挿入して,子宮内膜のようすをさぐる検査法です。婦人科領域では,子宮内膜症や子宮内膜の良性・悪性腫瘍,炎症の状態をみるのに今日ではなくてはならない検査・診断法のひとつになっています。さて,婦人科領域でこんなに発展して利用されているヒステロスコープを,産科の領域でも使える道はないものかとずいぶん前から私たちも考えていました。しかし,その利用への開発はなかなか進まなかったのです。
胎児の染色体異常を出生前に診断するのに,CVS(chorionic villi sampling)絨毛生検といって,妊娠の8〜10週の間に絨毛の一部を採取して染色体を検査する方法があります。これは,羊水穿刺による羊水分析よりも早い時期にかつ短時間で診断できてよいということを,42巻4号のこの欄でお話ししました。日本でも,少しずつですが実施されるようになりました。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.