新しい視点をさぐる 臨床検査のBlind Spots
内視鏡診断
ヒステロスコピー
杉本 修
1
Osamu Sugimoto
1
1大阪医科大学産科婦人科学教室
pp.256-257
発行日 1978年4月10日
Published Date 1978/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205804
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子宮は厚い筋層の内面が粘膜上皮で被われた管腔臓器であるが,そこに発生する疾患には他臓器に見られない特色を示すものがある。すなわち炎症や新生物に加えて,妊娠の異常による器質性変化が現われるし,子宮内膜には卵巣ステロイドの影響による機能性疾患が発生することである。その診断にはこれまで巨視的には子宮造影法や血管造影法が,微視的には子宮内膜組織診や細胞診が行なわれてきた。さらに近年に至ってヒステロスコピーが導入されるに及んで,子宮腔内の情報はまさに手をとるように明確にしかも迅速に得られるようになった。しかしながらヒステロスコピーが長い歴史をもちながら容易に実用化されなかったのはそれなりの理由があったからで,現在でもそのすべてが解決されたわけではない。
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