Japanese
English
原著
ヒステロスコピーの実用価値
Practical value of hysteroscope
清水 直太郎
1
,
藤下 春敏
1
Naotaro Shimizu
1
,
Harutoshi Hujishita
1
1佐世保共済病院産婦人科
pp.161-165
発行日 1956年3月10日
Published Date 1956/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201334
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Hysteroskop(以下「ヒ」と略記)はPhilippBozzini(1807)の創意したEndoskopに胚胎しており,Pantaleoni(1869)が始めて生体の子宮腔を観察した。その後E.Bumm(1895)は尿道鏡で子宮腔検査が可能であるが,出血の為め観察が困難であり,感染の危険もあるとしている。C.David(1908)はNitze氏膀胱鏡に準じて管状器の尖端に対物レンズと電燈を装置し対眼部に硝子栓をして血液が管内に流入するのを完全に防いだ「ヒ」を作りその実験成績を発表している。A.Freund(1924)は套管をもつ光学管に洗浄装置と移動性キューレツトを附け,拡大率約4倍の装置を作つた。之は卵管カテーテルを挿入することができるもので,現在用いられている「ヒ」の原型とみることができる。之によつて卵管角の所見,月経周期による内膜像変化を観察し,卵管カテテリスムス,卵管子宮口の電気凝固による不妊術等に成功した。C.Rubin(1925)は尿道膀胱鏡に準じた「ヒ」を作製し,出血にはアドレナリンを注射,又は塗布し,子宮腔に液体,空気,炭酸ガス等を10〜20mmHg圧で注入して用いた。翌年H.F.Seymour(1926)は子宮内の血液や粘液を吸出する管を持ち,気管支鏡に似た「ヒ」を作り,子宮内膜の状況,特に子宮腔内ポリープ,腫瘍等の診断に役立つとしている。
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