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特集 消化器内視鏡寸言集2025
Ⅰ.全般[診断]
病理医とはface to faceで接する
Discuss with the pathologist face to face
今枝 博之
1
,
山口 浩
2
,
市村 隆也
2
,
宮口 和也
1
,
山田 健人
2
Hiroyuki Imaeda
1
1埼玉医科大学消化管内科,総合診療内科
2埼玉医科大学病理診断科
pp.464-465
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001962
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解説
消化器内視鏡医は内視鏡診療などで採取した生検や切除検体などの病理組織学的所見をもとにさまざまな疾患の診療に従事している。生検や切除標本の病理検体を提出する際には,病理検査診断依頼書に診断名や鑑別疾患,臨床情報などとともに,病変の部位や性状,採取した検体と病変との位置関係,症例によっては特殊染色,免疫組織化学染色などの依頼を記載している。特に切除検体ならば,病変の肉眼径,組織型,大きさ,深達度,病変の断端の評価などを記載し,加えて病理医に見てほしい点を記載している。病理医は依頼された情報をもとに検体の病理組織所見を検討し,特殊染色,免疫組織化学染色などを追加して報告している。二村らは病理医からの要望として,検体に挫滅がないこと,臨床情報に過不足がないことを述べ,表に記載されているようなさまざまな臨床情報が必要となることが多いと述べている1)。通常は依頼書と報告書による書類でのやりとりとなるが,臨床側からは報告書に関する疑問点や追加の検索の依頼,病理医側からは臨床情報などの追加の聴取や病理組織所見からの疑問点などの問い合わせがときに発生する。電話でのやりとりのみでことが済む場合もあるが,依頼した臨床医と病理医とで病理組織像を実際に顕微鏡下で見ながら内視鏡画像などと照らしあわせて直接ディスカッションすることにより疑問点が確実に解明され,臨床所見や内視鏡所見と病理所見が一致することも多い。
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