特集 産婦人科への東洋医学的アプローチ
産婦人科における針灸治療
植地 博子
1
1中目黒中医針灸
pp.211-217
発行日 1988年3月25日
Published Date 1988/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207337
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現代における針灸治療の水準
世界針灸連合第1回学術大会が昨年11月22日から5日間,北京の長城飯店で開かれた。世界30数か国から1600余人の針灸師,医師,生理学者等が集い,4会場に分れて熱心に研究発表が行なわれ,非常に盛大であった。本会の主席は日本の厚生省に相当する中国衛生部の副部長であり,国家中医管理局の局長でもある胡煕明氏が当たり,設立総会では,中央政府の大物ウランフ氏が祝詞を述べていた。今回の世界針灸大会は,中国政府が威信を賭けて開催したものであり,中国側の熱意が参加している我々にも強く感じられた。
中国各地からの出席者も多く,我々が中医針灸関係の雑誌でよく見かける針灸医師も参加していた。先日日本に滞在して中風後遺症を,目の周囲の数穴の刺針で驚くべき治療効果を挙げて注目された,遼寧中医学院の80歳の老中医彭静山先生,90歳近い厦門中医院の名誉院長陳応龍先生など,高齢の老中医たちの姿も見られた。この老中医たちは大会に参加するだけではなく,堂々と研究発表をなさり,針灸に対する熱意,真摯な態度には圧倒された。私事で恐縮だが,北京中医学院の留学生仲間もこの大会に出席するために,世界各地から駆けつけてきていた。何年か振りで会った留学生達は,スペイン,オーストラリア,メキシコ,香港,それぞれの地で,針灸を啓蒙し,多くの患者の治療にあたり活躍している。
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