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読者談話室 もっと障害者への配慮を,他
小野 清美
1
1衛生短大
pp.362-363
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207122
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1981年の国際障害者年を契機に,障害者に対する一般の理解は深まり,最近ではノーマライゼーションの理念が次第に広まりつつある。しかし,まだまだ障害者の現状はきびしいように思う。障害者の「教育権」「交通権」「生存権」などは大きな社会問題となっていることは周知のとおりである。例えば,教育の場は「個性尊重の原則」にのっとってなされているだろうか。職業雇用の問題も同様な一面があり,これは同時に健常者の問題にも通じる。
それはまた,病院のあり方にも大いに関連してくるだろう。病院は他の機関と異なり,あらゆる疾患や障害をもった人びとが出入りするところであるが,それに対処できるようになっているかといえば"NO"といわざるをえない。患者とのコミュニケーションが図れるように手話ができる職員がいたり,点訳した病院案内を揃えるというような配慮をしているところを残念ながら私は知らない。確かに,障害者は少ないが,確実に5年毎に25%ずつ増えている現状を知ることは大切だろう。
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