特集 少産時代の助産婦の進路
継続看護を実現するための条件づくり
堀田 初江
1
1長崎大学病院5F病棟
pp.294-299
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207108
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はじめに
施設内分娩が99.7%を占める今日,母子に対する援助の形や質は大きく変化している。かつて家庭分娩が主流だった頃の開業助産婦は,地域社会に密着し,個別性・継続性のある母子援助を行ない,プライマリ・ナーシングケアの担い手として活躍してきた。
一方,現在施設内で行なわれている母子看護をみると,継続性のない断片的な援助が多数の看護者によって行なわれている。その結果,多くの妊産婦は,医療の進歩により身体的側面の問題はあるていど解決されるが,精神的な面での問題は未解決のまま放置されていると言つても過言でない状況が生まれている。助産婦にしても,高度医療機器の導入により補助業務に費す時間が長くなり,助産婦としての独自性を発揮しにくい状況にある。
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