特集 これからの助産のあり方
講演
保健指導こそ助産婦の仕事
松本 清一
1
1群大医学部
pp.19-26
発行日 1971年11月1日
Published Date 1971/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204264
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助産婦の仕事の内容は,一つには医学の進歩,一っには都市化の急速な発展や核家族の増加などの社会の著しい変貌によっておのずから変化すべきもので,将来の助産婦のあり方は,この点をふまえて考えなければならないと思います。
日本では戦後20年間に起こった最も顕著な変化として,施設内分娩の著増がみられました。たとえば昭和22年には施設内出生は全出生のわずか2.4%にすぎなかったのに,昭和30年には17.6%,35年50.1%,40年84%,42年にはついに90.4%に達しています。しかもその施設内分娩の増加のうち一番多いのは病院ならびに診療所における増加です。大ざっぱにいうと,昭和22年の頃と現在では家庭分娩と施設内分娩の比率が反対になっているのです。
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