今月の話題
分娩監視技術の進歩と看護職への期待
橋本 武次
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.911-918
発行日 1986年10月25日
Published Date 1986/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206984
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まえおき
助産業務は出産の「とりあげ」が中心であり,元気なベビーの産声を泣かせる時が誇り高いハイライトであることは従来と何ら変わるところがない。しかし今日の周産期看護業務では,分娩にいたるまでの分娩監視と長い妊娠期間中の保健指導が加わり,助産婦・看護婦は「妊産婦のガード役」を担っている。しかも,妊娠中の生活行動とか産婦の分娩様式などをめぐる多様化したニーズに応えなければならない。
一方では,医療の進歩により,異常妊娠,母体に合併症のある妊娠,異常児の妊娠などのハイリスク妊娠をとり扱う機会が多くなっている。これらに対応した適切なケアと支援をほどこすために,助産婦はたえず新しい知識と正しい手技を身につけておく必要がある。ここでは広い意味の「分娩監視技術」について,その現状,早く取り入れたい事項,これから解決されるべき問題点などに関して述べる。
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