特集 高年初産婦への援助
加齢と妊娠の生理学
赤祖父 一知
1
,
西田 悦郎
1
,
窪田 興志
2
1金沢大学(医学部産科婦人科学)
2金沢大学医療技術短期大学部
pp.284-291
発行日 1986年4月25日
Published Date 1986/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206852
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はじめに
女性の高学歴化,社会進出の増加,あるいは医療技術の進歩により従来,妊娠・分娩が不可能と考えられていたケースにもその可能性が増加してきたことなどによって,今後ますます結婚・出産年齢の高齢化がすすむものと思われる。近年における初産年齢の上昇傾向は,高年初産(30歳以上)の総初産分娩に占める割合の年次変動からもうかがえる(図1)。
しかしながら,生殖機能の加齢に伴う低下は卵巣の老化と密接に関連しており,その進行は避けることのできないものである。また,高年齢の妊娠には種々の異常や障害を伴うことが多く,未解決のいろいろな問題も残されている。
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