境界領域の再評価とその展開 特集
老年婦人科学
加齢と骨粗鬆症
大西 利夫
1
,
森本 茂人
1
,
熊原 雄一
1
Toshio Onishi
1
1大阪大学医学部第4内科教室
pp.231-235
発行日 1987年4月10日
Published Date 1987/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207566
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日本人の平均寿命は女子では80歳となり,日本の人口に占める老人の数は今後もますます増加することが予想されている.老人が健康な状態で長生きするために克服すべき問題は多くあるが,骨粗鬆症もその一つである。老人性骨粗鬆症は直接的には生命にかかわる疾患ではないため,これまで充分に研究が進められてきたとは言いがたい。現実には骨折や腰痛に悩まされている老人は多く,大腿骨頸部骨折などを契機に寝たきり老人になる例もある。したがって本症の予防法,治療法を明らかにすることは重要な課題である。最近,骨・カルシウム代謝に関する研究が急速に進歩しつつあり,それに伴い骨粗鬆症に関する知見も急速に増えつつある。ここでは骨粗鬆症について全般的に述べるとともに,本症と女性ホルモンとの関連について解説したい。
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