Medical Scope
破水しているか,していないかの新しい簡単な診断法の話題
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.88
発行日 1986年1月25日
Published Date 1986/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206808
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破水しているのかいないのか,私たちは日常の診療で首をかしげることがよくあります。破水していることが確かかどうかによって,その妊婦の診療方針ががらりと変わることがあるので,一生懸命考えてしまうのです。
妊婦の言うとおり,診察してみて確かに羊水の流出がたくさん認められる症例は簡単に破水していると診断がつきます。ところが,家で水のようなものがたくさん出たと言うのに,私たちの眼の前ではまったく羊水の流出はなく,子宮口もきちんと閉じている症例や,本人は少し水のようなおりものがあったと言うけれども,診察してみると破水のような所見はどうも考えられないといった症例について,本当に破水しているのかどうか診断するのにずいぶん困ることもあります。BTB試験など,いくつか破水の診断法はありますが,いずれも単独で確定診断はできません。つまり,いくつかの検査が陽性に集まれば破水がより強く疑われるという程度です。
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