私と読書
「クラウス=ケネル 親と子のまずな』を読んで
長谷川 まなみ
1
1千葉大学大学院看護学研究科
pp.1056-1057
発行日 1985年12月25日
Published Date 1985/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206779
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母子関係をめぐる好個のテキスト
私が「母と子のきずな」を読んだのは助産婦学生の時だった。母子相互作用ということにまだそれほど興味がなかったせいか,とても読みにくかったことを記憶している。あれから6年──母子相互作用は母子看護の主なテーマとなった。今,「母と子のきずな」の改訂増補版ともいえる「親と子のきずな」を手にして,前書が母子相互作用研究の流れにおよぼした影響の大きさをあらためて感じた。新しい研究データを加え,前書で提示された問題の妥当性がより深く検討されたことで,この本は,研究者あるいは臨床家の「母子関係の教科書」と呼ばれてもいいのではないかと思う。
「母と子のきずな」との構成を比較してみると,正常新生児との相互作用についての内容が充実されたことがわかる。
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