Medical Scope
正常位胎盤早期剥離の早期診断
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.826
発行日 1985年9月25日
Published Date 1985/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206734
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正常位胎盤早期剥離は,子宮胎盤盗血の名でよばれているように,胎盤がはがれて出血する最大の産科異常です。最近では,この疾患は急性に突然に発症する偶発症ではなく,ゆっくり発症してくる,いわば慢性疾患であるという見解が正しいとされています。1984年の第7回周産期医学国際シンポジウムで,カナダのスペラシイ教授が,正常位胎盤早期剥離はけっして急性の偶発症ではなく,慢性の妊娠合併症だといって演壇を降りていった姿を私は今でもはっきりと覚えています。
このように,早剥が慢性疾患であるならば,必ず早期診断がつくはずです。とりわけ,最近の進歩した周産期医学をもってして不可能なはずはなく,実際に多くの早期診断例がでてきたのです。
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