連載 源流への旅
子産み子育て考・6
腹帯
菅沼 ひろ子
1
,
坂倉 啓夫
,
宮里 和子
2
,
鎌田 久子
3
,
末光 裕子
4
1聖母病院分娩室
2国立公衆衛生院衛生看護学部
3成城大学文芸学部(民俗学)
4東京江戸川区・教育相談室
pp.817-821
発行日 1985年9月25日
Published Date 1985/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206729
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§はじめに
妊娠5か月の戌(いぬ)の日に初めて腹帯をつけるという風習は日本古来からの独特なものである。しかしなぜ,腹帯をつけるのか,またなぜ戌の日なのか,なぜさらし木綿なのであろうか。
妊娠すると不思議なことに,誰もが腹帯をしようとするし,妊婦をとりまく家族も当然のこととして扱っている。また,機械化された最新医療の中でさえ,腹帯の習慣は今だに生きつづけ,若い医師や助産婦にも見守られているのが実情である。日本の風習として腹帯をするという行為は,それだけ定着しているとも解釈される。
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