連載 医療ソーシャルワーカーの相談窓口から
医療ソーシャルワーカーの機能
田戸 静
1
1葛飾赤十字産院医療社会事業部
pp.738
発行日 1985年8月25日
Published Date 1985/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206712
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周産期医療は,妊娠・分娩・産褥期の一連の母体管理と,胎児・新生児の成長管理を目的として,産科と新生児科が相互々に協力して行なう医療の領域で,在胎12週より出生後4週までの期間の包括的な医療を指す。
周産期医療の遂行に当たって,医師,助産婦らは,患者(妊産婦)の身体面から,とりわけ妊娠の経過と胎児の発育状態を中心とした母体の管理に重点をおいてアプローチしてゆく。それに対してソーシャルワーカーは,地域社会における生活者としての患者(妊産婦)やその家族が,妊娠という現象あるいは児の出生という事実をどのように認識し対応しているのか,また,それによって患者・家族にどんな影響がもたらされているのかを,彼らの生活全体に視点をおいてアプローチしてゆく。すなわち,ソーシャルワーカーは,医師の治療方針のもとに,助産婦の保健指導や母体管理に協力して,患者・家族が,妊娠から育児に至るまでの適切な周産期医療を受けられるよう側面的に援助するわけである。
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