研究・調査・報告
より良い母子関係をめざして未熟児・異常児を出産した母親へのアプローチ
川村 ミヨ
1
,
大久保 春枝
1
,
佐々木 真理子
1
,
伊藤 紀子
1
,
河江 洋子
1
,
松谷 美奈子
1
,
南口 貴子
1
1市立札幌病院産婦人科
pp.529-535
発行日 1985年6月25日
Published Date 1985/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206668
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はじめに
近年,周産期医療の進歩に伴い未熟児・先天異常児の生存は増加しているが,時には長期間の治療を必要とされる場合もある。そのため,母子分離を余儀なくされ,児との親密な接触を保ちにくく,母親および家族の不安は測り知れないものがあると思われる。
当科においても,これまで多くの未熟児・先天異常児出生があったが,私たち自身,母親や家族とどのようにコミュニケーションをとったら良いのか分からないため,彼女らの不安を汲みとることができず,気になりながらも具体的な援助がほとんどないまま退院していくのが現状であった。未熟児・先天異常児といえども,わが子として受け入れ,より良い母子関係を築くきっかけを作るための援助の必要性を強く感じたものである。
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