連載 医療ソーシャルワーカーの相談窓口から
妊婦の背景に目を向けよう
田戸 静
1
1葛飾赤十字産院医療社会事業部
pp.463
発行日 1985年5月25日
Published Date 1985/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206656
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「妊娠」という現象は,世間一般では,「お目出た」として,自然の喜びを内包した人間心理と理解されている。しかし,妊婦のおかれている生活状況や,その社会的状況によっては,妊娠は,喜びではなく,心身の不安や重圧や疲労感を伴ったもの,あるいは嫌悪に満ちた屈辱的なものにさえなりうる。産院のソーシャルワーカーが接する相談ケースには,妊娠に伴う悲喜こもごもの感情を秘めた,複雑で屈折した内容のものが多い。
ある日の外来から相談室へ回されてきたケースを紹介してみよう。
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