産科内分泌学入門・24
性成熟への準備—思春期の発来
安水 洗彦
1
,
加藤 順三
1
1山梨医科大学産婦人科
pp.265-270
発行日 1985年3月25日
Published Date 1985/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206615
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人間も生物である以上,誕生→成熟→死という輪廻をたどる。成人となればまた新しい生命を誕生させて,自分たちの種属を後世へと残していく。この種属保存のための機能が生殖機能である。
「性分化」の章で話したように,人間や動物の性別の基本は遺伝子によって決定されている。身体の発育とともに生殖器の形態と機能は「幼若」状態から「成熟」の段階へと移り,生殖能力が完成する。このうち,幼若期から成熟期へと移る過渡期は,その個体の成長過程のうちでも,さまざまな画期的な現象が出現する時期で,人間では思春期,動物では春期発動期とよばれている。
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