薬の臨床
妊婦の末梢神経障害に対するビタミンB12(メチコバール®)投与の有用性の検討
石松 順嗣
1
,
吉松 喜代隆
1
,
浜田 悌二
1
,
天ヶ瀬 紀昭
2
,
有松 直
3
,
小田 高明
4
,
河野 勝一
5
,
綱脇 現
6
,
夏秋 洋一
7
,
稗田 義雄
8
Junji Ishimatsu
1
,
Noriaki Amagase
2
,
Tadashi Arimatsu
3
,
Takaaki Oda
4
,
Katsuichi Kawano
5
,
Akitsu Tsunawaki
6
,
Youichi Natsuaki
7
,
Yoshio Hieda
8
1久留米大学病院産婦人科
2八女公立病院産婦人科
3杜会保険田川病院産婦人科
4国立小倉病院産婦人科
5聖マリア病院産婦人科
6熊本市民病院産婦人科
7唐津赤十字病院産婦人科
8国立佐賀病院産婦人科
pp.1257-1261
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901495
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妊娠28週以降に妊婦腰痛,手根管症候群,下肢痙攣などの末梢神経障害を有する妊婦95名を対象にビタミンB12製剤であるメチコバール®を経口投与(1,500μg/日)し,その有効性および血中ビタミンB12濃度およびビタミンB12飽和結合能の推移について検討した。
自覚症状が完全に消失したのは46.4%で,症状が改善したものは27.7%で,その有効性は63.1%であった。血中ビタミンB12濃度はメチコバール投与前は332.53±169.33pg/mlで,投与後は451.03±224.42pg/mlに増加した。ビタミンB12結合飽和率は投与前は13.23±6.32%で,投与後は18.32±7.88%に増加した。
妊婦の末梢神経障害にビタミンB12の投与は有効な治療法であると考えられる。
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