薬の臨床
産科領域のDICに対するFUT−175の多施設臨床治療成績
真木 正博
1
,
品川 信良
2
,
寺尾 俊彦
3
,
外西 寿彦
4
,
池ノ上 克
4
,
中村 幸夫
2
,
野村 雪光
2
,
後藤 薫
1
,
長沢 一磨
5
,
小田 得三
5
,
西谷 巌
6
,
西島 光茂
6
,
藤盛 亮寿
7
,
小林 隆夫
3
,
成田 喜代司
8
,
稲本 裕
9
,
今井 信昭
10
,
邨瀬 愛彦
11
,
小田 弘幸
10
Masahiro Maki
1
,
Shinryo Shinagawa
2
,
Toshihiko Terao
3
,
Hisahiko Hokanishi
4
,
Tsuyomu Ikenoue
4
,
Yukio Nakamura
2
,
Yukimitsu Nomura
2
,
Kaoru Goto
1
,
Kazuma Nagasawa
5
,
Tokuzou Oda
5
,
Iwao Nishiya
6
,
Mitushige Nishijima
6
,
Ryoju Fujimori
7
,
Takao Kobayashi
3
,
Kiyoji Narita
8
,
Yutaka Inamoto
9
,
Nobuaki Imai
10
,
Yoshihiko Murase
11
,
Hiroyuki Oda
10
1秋田大学医学部産科婦人科学教室
2弘前大学医学部産科婦人科学教室
3浜松医科大学産婦人科教室
4鹿児島市立病院産婦人科
5青森県立中央病院産婦人科
6岩手医科大学産婦人科教室
7秋田赤十字病院産婦人科
8聖隷浜松病院産婦人科
9遠州総合病院産婦人科
10半田市立半田病院産婦人科
11半田市立半田病院産婦人科周産期センター
pp.1041-1051
発行日 1988年11月10日
Published Date 1988/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207899
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合成蛋白分解酵素阻害剤メシル酸ナファモスタット(FUT−175)の産科領域における汎発性血管内血液凝固症(DIC)に対する有効性,安全性および有用性の検討を行った。FUT−175が投与された症例は20例で,適格症例18例について解析を行った。
凝血学的検査所見では,血小板数を除き,プロトロンビン時間,FDP,フィブリノゲン,アンチトロンビンⅢ,FDP-Dダイマーおよびプラスミンーα2プラスミンインヒビター複合体において著明な改善が認められた。主治医効果判定での有効率および有用率はともに94.4%であった。また,客観的効果判定基準に拠る有効率は24時間後および48時間後判定でそれぞれ72.2%および83.3%と高い有効率であった。
以上より,本剤は産科領域のDICに対して極めて有用な薬剤であると考えられた。
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