特集 耳鼻咽喉科と感染症
IV.感染症の諸問題
ステロイドホルモンと感染症
早川 裕
1
,
藤森 一平
1
Yutaka Hayakawa
1
,
Ippei Fujimori
1
1川崎市立川崎病院内科
pp.849-852
発行日 1980年10月20日
Published Date 1980/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209159
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I.はじめに
ステロイドホルモンは,抗炎症性,抗毒素性,抗アレルギー性,抗ショック性などの優れた薬理作用を有しており,その適応疾患も急性炎症から慢性炎症,アレルギー性炎症から,自己免疫疾患等,現在,診療科を問わず臨床に広く繁用されている。このような広範で強力な抗炎症作用は,非ステロイド系抗炎症剤にはみられない特徴である。
しかし,一方では,ステロイドホルモンは極めて重篤な副作用をも合わせもつ薬剤である。なかでも,major side effectの1つとして感染の誘発,または増悪は,本剤の長期,大量投与が広まるにつれ,問題となっている1)。
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