産科超音波診断法の実際・2
超音波像と診断[1]—妊娠初期・切迫流産・腫瘍合併妊娠・異常妊娠
一宮 和夫
1
1東京医科歯科大学産婦人科
pp.619-622
発行日 1982年8月25日
Published Date 1982/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206065
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妊娠初期の超音波像
従来,妊娠の早期診断には尿中hCGを測定していたが,超音波診断法が導入されてからは,妊娠初期の異常(流産・胞状奇胎等)を早期に確実に診断することができるようになった.
妊娠初期(5週以後)の超音波診断上の特徴は,子宮腔内に胎嚢(gestational sac,G. S.)を認めることである.このG. S. は妊娠週数とともに増大し,10〜12週頃まで明確に認められ,6週頃よりG. S. 内に胎芽(胎児)が確認できる.図1はG. S. 長径と妊娠週数の関係を表わしたものである.妊娠5〜8週頃では円形に近く,その径の増大が正常妊娠継続の指標となるが,9週以後は次第に楕円形から変化し,むしろG. S. 径よりも胎児心拍動の確認が指標となる.
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