調査研究実践講座・3
統計学の基本[2]—差の検定
林 謙治
1
1国立公衆衛生院母性小児衛生学部
pp.254-259
発行日 1982年3月25日
Published Date 1982/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205993
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日常の医療活動の中でわれわれは,異常ないし病的な状態を表現する,おびただしい数の医学用語に出会っている。母子保健の分野では,低出生体重,高血圧,難産,貧血などの言葉が,ほとんど毎日といっていいほど頻繁に使用されている。
ところで,これらの用語はすべて相対的な表現だということに皆さんはお気づきだろうか。たとえば,われわれはほとんどの出生児の体重が3,000g近くであることを経験的に知っているので,1,500gの出生児を見れば異常に小さいと考えるのである。大きい小さいだけでなく,高い低い,多い少ない,すべてに1つの規準があって,はじめて個々の特徴が表現されるのである。
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