分娩監視装置とデータの読み方・2
胎児心拍数図の読み方[1]—胎児心拍数基線と細変動
室岡 一
1
1日本医科大学産婦人科
pp.87-90
発行日 1982年2月25日
Published Date 1982/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205967
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分娩監視装置の記録は,医師だけが読むべきものとして全く関心を持たないのはよくない.やはりある程度の知識を備えておかないと,実地に困ることがよく起こってくる.既に米国では助産婦・看護婦が記録を読むことの講習を受け,その知識を臨床に活用している.やがては我が国でもそのようなシステムになるであろうが,現在でもいくつかの施設では,助産婦・看護婦が絶えず記録に気を配り,疑わしい所見と思われれば,すぐに医師に知らせてその後の治療指針を待つ所も少なくない.
そこで今回から数回にわたって記録の読み方を解説してゆく.往時はトラウベ聴診のみで,陣痛間歇時も胎児心拍数が5秒毎かぞえて13以上か10以下のとき,医師に速やかに連絡したが,それと同じことが,分娩監視装置の記録の上で行われると考えればよい.いずれにせよ漠然と分娩監視装置を運んだり,記録したりするだけでは面白味が全くないから,胎児がどうなっているのか概略だけでもよいから分かってほしい.曲線を見るのであるから,トラウベ聴診と違ってとっつきにくい点はあるが,慣れれば何でもないことである.
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