技術解説
胎児の生理学的モニタリング—胎児心拍数図を主として
前田 一雄
1
1鳥取大学・産婦人科
pp.373-379
発行日 1978年4月15日
Published Date 1978/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914717
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妊娠中における胎児の環境として母体子宮の内部は医学の領域でも最後の聖域の一つであって,その状態をうかがい知るのは容易でないが,最近10数年間の胎児学の進歩によって,羊水診断や母体血中尿中ホルモン,酵素による胎児診断法とともに,生理学的情報による胎児モニタリング(胎児監視,fetal monitoring)が可能になり,分娩時における胎児仮死診断法などが新しく開発されるに至った.そのなかでも分娩監視装置による胎児心拍数図診断や超音波ドプラ装置による胎児心拍検出は既に広く普及しており,最近では高速電子走査超音波診断装置も用いられるに至った.胎児心電図・心音図も古くから応用され,超音波ドプラ胎児心臓弁膜信号解析や胎児UCGも報告されている.
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