第26回日本公衆衛生学会から
秋の学会見聞記
林 義緒
1
1大阪府八尾保健所
pp.62-63
発行日 1969年1月10日
Published Date 1969/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204364
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第26回日本公衆衛生学会に出席して
京都でおこなわれた秋の学会は,収獲の多いものであったと思う。革新府・市政が意欲的にとりくんだ反映であるかも知れない。
第1日目,蜷川京都府知事の「今日の地方自治の問題」は,経済学者としての一面も感じさせられるものであった。自治体は,住民のくらしを守る――とくり返し言われた。あたりまえのことであって,あたりまえのことでないこの言葉のもつ意味を,私達自治体で働らく者はかみしめてみる。自治体が大企業優先であったり,中央政府にばかり向いているとき,住民は公害に泣き,物価高で苦しんでいる事実は,私達が日常見聞していることである。憲法25条,前文があまり有名で,後半の「国は公衆衛生の向上につとめなければならない」というのは忘れられていたようだ。京都府では,「憲法手帳」を公務員も,婦人会員も,知事も持っているといわれ,それを出して25条を読まれ,守りぬくことのむつかしさを説明された。
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