研究・調査・報告
母乳栄養を確立するための課題—当院の「母乳栄養に関する実態調査II」から,WHO・ユニセフの提言実施に向けて
有本 淳子
1
,
上杉 澄恵
1
,
山本 浪子
1
1鳥取県立中央病院産科病棟
pp.998-1002
発行日 1993年12月25日
Published Date 1993/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900932
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
鳥取県立中央病院産科病棟において母児同室と自律授乳を導入して,1年あまりが経過した。昨年「母乳栄養に関する実態調査」1)を実施したところ,自律授乳と規則的授乳では,母乳栄養の確立に関して差がないという結果が出た。そこで今回は,WHOおよびユニセフの提言「母乳育児成功のための10か条」(資料1)と,山内の提唱2)を受けて,当病棟で可能な3項目(後出)を選択し,50例の母児について実施して,母児同室制導入前と比較した。
その結果,3項目を満たせば母乳の分泌は良く,退院時には母乳栄養の確立はできることが確認できた。しかし,3週間健診時の母乳栄養の確立は難しい。そこで,今後母乳栄養を確立するための課題を明確にしたので報告する。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.