特集 性をめぐる諸問題
文学から考える人間の性
女性性喪失の苦しみ—小説「くれなゐ」を読んで
左古 かず子
1
1聖バルナバ助産婦学院
pp.752-754
発行日 1980年11月25日
Published Date 1980/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205783
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●あらすじ
28歳の製帽デザィナー木之内冬子は,子宮筋腫のため子宮全摘の手術を受ける。しかし,その日から冬子にとって"自分は女でない"という,精神的混乱と喪失感にさいなまれる日々が始まる。冬子には貴志祐一郎という愛人がおり,冬子に女性としての自信をとり戻させようと彼女を支える。苦しみの日々を経たある日,葉鶏頭の紅さに目をやったとき,自分の身体に燃えるものを感じ,生きていくことへの自信を冬子は再びとり戻していく。
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