サルとヒトの比較産科学・9
サルのお産(Ⅴ)
大島 清
1
1京都大学霊長類研究所
pp.756-767
発行日 1980年11月25日
Published Date 1980/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205784
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ヒトの発情期喪失論を展開するつもりでいたところ,外国の友人がチンパンジーの骨盤位分娩の文献を送って来た。その文献からマゴ引きで,ビデオやカラー写真撮影を駆使した,ゴリラのお産描写の文献がみつかった。しかもお産してから27時間の母と子のスキンシップの様子が刻明に画かれている。「サルのお産」の延長として,これは是非諸姉に御紹介する義務ありと痛感し,急拠ホコ先を転じて本号のような次第となった。
第3号「サルのお産(Ⅱ)」に述べたように,大型化した類人猿の出産間隔はことさらに長く,報告,とくに詳細な報告は極めて少ない。第3号をもういちど検討された上,本号を読まれると理解しやすいだろうし,ヒト似ザルからヒトへの出産比較の理解に役立つものと思う。
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