研究・調査・報告
保健指導でのカウンセリング技法についての考察—特に受容的態度,共感的理解を中心に
本山 厚子
1
1宮崎県医務薬務課看護係
pp.89-104
発行日 1980年2月25日
Published Date 1980/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205666
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はじめに
オーランドは「看護とは患者のニードを満たすために必要なあらゆる援助を提供することである」1)と述べている。患者のニードを満たすための援助として,直接的な身体的援助や,精神的な励まし・勇気づけ等の心理的援助,それに患者を取巻く物理的・社会的・経済的環境の整備や,患者が自分で環境を整え健康のための努力をするようにしむけるための教育的な活動などがある。
これらの援助を行なう上で大切なことは,相手をよく理解し,必要な援助を正確に把握することである。相手をよく理解するためには,相手の行動や身ぶり・態度・表情等を観察し,観察したことの意味を探ったり,訴えや言葉を注意深く聞き取ったり,訴えや言葉で表現されなかった感情やその意味を探り,相手から直接あるいは間接に確認したり,収集した情報を分析するなど,多面的な方向からのアプローチが必要である。
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