特別企画 未熟児医療と看護
ダウン症候群児をもつ家族への対応
渡部 弘枝
1
,
佐藤 とく代
1
1都立母子保健院
pp.818-821
発行日 1979年12月25日
Published Date 1979/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205640
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1.はじめに
出産,それは祝福すべき生命誕生のドラマだが,時には悲劇の幕明けになる場合もある。生まれたわが子が先天性異常児と診断されたとき,母親や父親はどのように受けとめるのであろうか。今回,取り上げるダウン症候群児は先天性異常児の中でも1,000人に1人の出生率と言われており,その治療法は日常の生活が中心となる。そのため治療の主体は家族,中でも母親の態度にその役割がかかってくる。看護者の役割は母親への生活指導と援助が中心となろう。
今回ダウン症候群と低出生体重のため,早期母子分離され,64日間の児の入院期間中約40日間授乳練習に通院しながら児の受入れについて,初めの消極的態度から一応肯定的な姿勢をとるようになって退院したケースについて,日常施行している母子保健院未熟児室(以下当院)のルチンワークを通して,ダウン症候群児をもつ家族,特に母親への対応について体験させられたのでここに報告する。
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