特別企画 積極的な妊婦管理と自然分娩=Part・Ⅱ
特別寄稿
夫婦はお産を通じて何を学ぶか—臨床産科医として考えること
卜部 宏
1
1日本バプテスト病院産婦人科
pp.324-327
発行日 1979年5月25日
Published Date 1979/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205547
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産婦人科外来では妊婦の中心年代が時代と共に変わって行き,しかもその時代を反映してくるものです。したがって私達受け入れ側でも,その年代に対応していかねばならないのは当然でしょう。近年,科学や文化が急速に発展し,医療にも大きくその影響を投げかけています。多くの病院は重装備され,テクノロジーに押しまくられているのが現状でしょう。また患者もそのテクノロジーにある意味ではあこがれ感を持ち,信頼感を持っていると思われます。しかしこんな動きに反比例するかのように,医療機関における人間関係の喪失が目立ってきていることも否めません。
こうした中で,妊婦の取り扱いや妊婦と医療機関とのかかわり合い方について,マスコミ雑誌や専門誌などを通じ,世界的といってよい広さで論議されてきています。このような時期に第一線で働いている一医師として,産科のあり方,考え方の基本を述べさせていただき,多くの方がたのご批判を仰ぎたいと思います。
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