いわゆる理想型分娩について

はじめに

　先日，ある雑誌にこのテーマで寄稿したところ，本誌の編集部からも是非との依頼をうけましたので重複するところも少なくないかと思われますが，より多くの助産業務にたずさわっている方がたに考えていただきたいテーマですので，あえて拙筆をとりましたことをお許し願いたいと存じます。

　温古知新（古きをたずねて新しきを知る）という言葉があります。日新月歩の，しかも成田からサンフランシスコまでジャンボジェット機で10時間の時代ですから，新しい知識や情報は，それこそ洪水のように私どものまわりに氾濫しています。　しかし，それらの多くはウタカタの泡のように消え，忘れ去られてしまうものが少なくありません。