あなたと法律
夫婦の財産
吉田 欣子
1
1婦人総合法律事務所
pp.112-113
発行日 1971年1月1日
Published Date 1971/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915900
- 有料閲覧
- 文献概要
“共稼ぎ”という言葉がなんとなく古めかしく感じられるほど,女性が外に出て働くことがあたりまえの世の中になり,経済的地位も高くなってきている。ところが,独立した未婚女性ならその収入をどう管理するかは全く本人次第であるが,既婚女性の場合には,夫の収入との関係が消費面でも貯蓄の面でも問題となる。日常の生活費や妻が働くために子どもを預ける場合の保育料は,どちらの収入で支払うか。妻名義の預金は妻だけのものか。それぞれの実家への仕送りはどうするか。
円満な夫婦間ではなんとなく暮らしているのが実情であろう。けれども,そういった面での小さな不満が積み重なって,なにかの折に爆発する。そのなにかだけなら解決できる場合でも,経済的な面でのお互いの不信感が強くなると回復のできない溝ができる。そういって心配のほかにも,お互いの収入をまるで○○家の財布といったように一つのものと考えていると,さあたいへん,家を建てようというとき思わぬ税金を支払う羽目に陥いったりする。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.