研究・調査・報告
退院後の褥婦指導—訪問指導を試みて
田中 恵子
1
1国立嬉野病院
pp.177-182
発行日 1979年3月25日
Published Date 1979/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205515
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1.はじめに
助産,または妊婦,褥婦もしくは新生児の保健指導をなすことを業とする女子を助産婦として保助看法でうたっているが,近年の施設分娩の急増で,病産院での助産婦業務は助産のみに追われ,好むと好まざるにかかわらず産科ナース的な方向へいきつつあるといえる。助産婦の将来像としては,健康部門をマークして,地域に密着して母児の健康を守っていくことにあるといわれているが,施設を退院すれば,他の施設間,地域の保健所あるいは役場,専門職である小児科医や開業助産婦など,他の医療機関との結びつきが不安定で連絡が密でないため,褥婦はいろいろな相談事や問題点があっても,そのまま落ちこぼれて放置されているのが現況である。
そこで,地域母子保健の問題解決への機運を育てる一助にでもなればと思い,当院で行なっている退院時の保健指導の効果を家庭訪問することによって確かめ,その結果を役場に連絡する試みを,次のように行なってみた。
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