研究・調査・報告
分娩疲労と早期離床に関する一考察
窪田 マサ子
1
1山梨県立高等看護学校
pp.431-444
発行日 1978年7月25日
Published Date 1978/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205405
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1.はじめに
褥婦の動静に対する考え方は産褥期が骨盤底の筋肉や腹筋が弛緩している時期であり,子宮の脱垂や位置異常を起こしやすいということから最近まで分娩後24時間安静というのが主流であった。ところが分娩後早くから歩行させると悪露の排出がよく子宮の収縮が促されるという経験的・物理的事実に基づいて早期離床が叫ばれるようになり,5〜6年前からは特別な場合を除き6〜8時間から12時間で画一的に歩行させるという傾向になってきており,看護要員の不足がさらにこれを助長するという結果となっている。
このような産褥における早期離床の促進化傾向やそれに伴う画一的な褥婦の動静に対する指導が果たして適切なものなのかどうか,産婦・褥婦のケアーを行なうなかで現状に対する疑問が提起されてくる。
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