連載 カズのカンボジア日記・5
この子誰の子?
崎間 和美
1
1アンコール小児病棟
pp.90-91
発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903656
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●恵みの雨?
驚きました!大洪水です.先週カンボジアは大洪水に襲われました.私が住んでいるシェムリアップの町も丸3日の断続的な大雨で,あっという間に川の水位が上昇しあふれだしました.私にとってははじめての洪水経験で,どうなるのか,どうすればいいのかとドキドキ.幸いにも私の家は2階なので浸水こそ逃れましたが,雨漏りで家の中はビショビショ.1階の大家さんの家は床下浸水.しかし,まわりの家はほとんどが床上浸水で,どこへ行くにも股ほどもある水の中をザブザブと歩かなければなりません,ズボンやスカートの裾をまくり,ゆっくりと歩く姿は趣を感じさせられます.しかし歩きながらふと日常の光景が頭に浮かびました.近所の家の子どもたちはいつも,地面にしゃがんで“どこでもトイレ”だった!洪水によってその成分(?)がたっぷりミックスされたヌルヌルした水の中を歩くというのはなんともいえない気分でした.
もし,日本で同じ程度の洪水があったなら避難勧告が出され大騒ぎなのでしょう.でも,ここではさほど日常生活に支障をきたさないことがわかりました.水が出て困るのは,断水,停電,そして,交通が不通になることですが,カンボジアではそういったものに頼った生活をしていないので困らないのです.火は薪を使うし,水は井戸や雨水を貯めて使っているわけですからね.
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