増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
胎盤の病態生理
胎盤循環(母体側・胎児側)はどこまでわかっているか
佐治 正太
1
,
長谷川 潤一
1
SAJI Shota
1
,
HASEGAWA Junichi
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科
キーワード:
胎盤
,
絨毛
,
絨毛間腔
,
臍帯
Keyword:
胎盤
,
絨毛
,
絨毛間腔
,
臍帯
pp.234-238
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001285
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胎盤の役割
胎盤は,受精卵が着床してから約260日の間に急速に発育し,胎児のための呼吸代謝や栄養の吸収,ホルモン産生など多くの役割を担う。短期間でこれほど急速に大きくなり,多岐にわたる働きをする臓器はほかにみられない。古くはルネサンス時代より血液循環や構造生理について研究がなされていたともいわれており,現在もなお分子マーカー検査などの生化学的な研究が行われるほか,超音波検査,超音波ドプラによる形態学的,内分泌学的などのメカニズムの研究が行われているが,いまだすべてが解明されていない。本稿では,主に発生学的,病理学的な胎盤循環について論じる。
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