研究・調査・報告
乳汁分泌量の変動についての検討—完全母乳栄養確立のために
梶木屋 安紀子
1
,
飯野 キミノ
1
,
大山 三代子
1
,
渡辺 富美子
1
,
遠山 絹子
1
,
中村 昌子
1
,
長田 クニ
1
,
高㟢 幸子
1
1小田原市立病院産婦人科
pp.290-293
発行日 1977年5月25日
Published Date 1977/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205205
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1.はじめに
昔から子供を母乳で育てるということは,自然の理にかなった,ごく当たりまえのこととされているが,近年ほぼ母乳に等しい調製粉乳の出現,また,現在の社会状況を反映しての核家族,共働きの増加,母性本能の喪失等いろいろな条件がかみ合わされて,母乳栄養が安易に考えられてきたようにも思われる。
現在当院での新生児栄養は混合栄養法をとっているが,今回,種々論議されている母乳栄養の利点,母乳の蛋白アレルギーの問題等をふまえて完全母乳栄養確立を主眼とし,まず,その基礎的研究のために,母乳確立の第一の危機と言われる産褥1週間の乳汁分泌量の実態を調べたので,いくつかの知見を混じえて報告する。
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