特集 母子看護管理と記録
産科病棟における看護記録の改善についての試み
日詰 しずい
1
,
岡崎 久江
1
,
藤田 千枝子
1
,
宮本 康子
1
1富山県立中央病院産科病棟
pp.535-542
発行日 1976年9月25日
Published Date 1976/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205099
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1.はじめに
医学が治療医学から予防医学にと発展をつづけ,それに伴い看護も,医師の診療介助を目的とした看護から人間を理解する看護へと変遷をつづけてきている。患者のための看護をより充実させるために,看護計画をたて看護する体制が浸透し,良い記録は良い看護を生み出すともいわれ,看護する上で看護記録は重要な位置をしめているといえよう。
産科においては,① 妊娠・分娩は生理的なものではあるが,妊産 婦を管理するということは,母と子の生命を同 時に管理していくことであり,このため妊産婦 の保健指導いかんによっては,2つの生命を同 時に失う危険性がある,② そのため,より細かな観察・看護が必要であ り,看護記録が重要視される,③入院期間が短い,などの特殊性がある。従来の看護記録は,治療・検査・処置の記録中心で,看護ケアーの記録は簡単に書きとめておき,看護記録本来の目的を果たしていないといえる。また,看護日誌,カーデックスというように記録の重複が多く,記録に時間がとられる,疾病に伴わないことが多く観察が画一的になり,表現法があいまいである,などの点から,産科独自の看護記録作成を試みたので,その成果を発表する。
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