特集 母子看護管理と記録
北大式妊娠経過図の実際とその利点
藤本 征一郎
1
,
泉谷 ハナエ
1
1北海道大学病院産科
pp.543-549
発行日 1976年9月25日
Published Date 1976/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205100
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1.はじめに
産科外来における妊婦管理の目的は,妊娠の進行過程にそって,異常を迅速に発見し診断することにある。大学付属病院産科として,教育・研究・診療の3つの柱が有機的に結合した状態が理想的である。最近,当科においてはその使命を達成すべく,少ない定員でよりいっそうの効果をあげるために,集中的にHigh risk pregnancyを取扱うよう努力している。
したがって,妊娠中毒症の早期発見と治療が主体をなしていた従来の産科外来とは多少趣を異にしており,母体・胎児双方の異常をより早期に発見する必要にせまられている。妊婦の検診は妊娠初期の診断後7か月までは毎月1回,妊娠8〜9か月は2〜3週間に1回,妊娠10か月は毎週1回の割に受けることが普通であるが,High risk pregnancyでは当然その受診回数が増加する。
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