連載 私と読書
—妊産婦の食事・を読んで—通り一遍の栄養指導で終わらせないために
菅谷 幸子
1
1国立東京第2病院産科病棟
pp.612
発行日 1975年11月25日
Published Date 1975/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204955
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母性看護の中で保健指導のしめる位置は高く,特に栄養指導は重要な課題の1つです。近年,ただ一律の保健指導であってはならないと叫ばれ,個別性,かつ具体性のある保健指導が要求されています。そのような中で,日常,私たちが仕事で妊産婦さんに接し感じることは,知識は十分持ち合わせているということです。母親学級で妊婦さんから出される質問の中には専門的なことが多々あり,驚かされることがよくありますが,これは知識が断片的であるというところに問題があるように思います。ですから,一貫性のある著書を妊婦さんに紹介できたらと思っていました。
そこで,「この妊産婦の食事」を手にしてみました。この本は,I.妊娠の生理,II.妊産婦の栄養,III.妊娠各期の食事,IV.妊産婦の病気と食事,V.産前産後の体操の5章節で構成されています。まずはじめに妊娠とはどういう生理的変化が起こるか。そして,それに基づいての栄養の必要性を説き,次に特に妊娠中に起こりやすい食事と関係のある貧血症,妊娠中毒症,便秘症,つわり時の食事,授乳時の食事と展開していきます。
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