表紙の心・4
コルドリエ通りと外科史
大村 敏郎
1,2
1川崎市立井田病院外科
2慶応義塾大学医史学
pp.451
発行日 1988年4月20日
Published Date 1988/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209962
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外科医たちの作った建物が医学部として使われ,内科医も外科医も同じ教育機関から育つようになったので,医学部館の前の道は医学校通り(rue école de médeci-ne)と呼ばれて今日に至っているが,以前はこの道の医学部と反対側・南側に面していたコルドリエ修道院の名をとってコルドリエ通りと呼ばれていた.コルドリエ修道院の歴史は1230年までさかのぼる.
今月の表紙はコルドリエ通りが主役である.この道が外科史にとって重要な意味をもっているからである.この表紙の鳥瞰図は1734年のものであるが,左の端にサン・コーム教会の塔が見える.左上方のアルプ通りは現代の盛り場の一つであるサン・ミシェル大通りに相当する.外科医組合がサン・コーム教会に本部を置いたのは1260年頃のことである.以後約500年の間,外科医たちは医学部出身の医師たちとの葛藤の歴史をくりひろげるのである.
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