助産婦事典
産痛のメカニズム
金城 盛吉
1
,
永井 生司
1
1公立岩瀬病院産婦人科
pp.604-607
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204778
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1.痛みについて
痛みというものは,複雑な内容を持っている。メスで指に創をつけたとか,ころんで足に傷をつけたとか,他人にも明らかに「痛い」ことがわかるものから,いわゆる「頭痛」のように,本人しかわからないものまである。
痛みは主観的要素が大きく,客観的に捕え難い感覚であるが,組織の器質的損傷を背景に,生体へ加わった侵襲に対する警告であって,生体の持つ防衛反応といえよう。ゆえに,生体に加わった刺激が生体に有害となる時,一般に痛みとして感覚されるわけである。氷を手掌においた時最初のうちは冷たくて快いものであるが,時間がたつうちに不快となり,ついには痛みとして感ずるようになることは,誰しも経験するところであろう。
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