連載 私と読書
説得力ある母乳栄養のすすめ—「母乳主義」を読んで
出来田 満恵
1
1富山赤十字病院産科病棟
pp.250
発行日 1974年4月25日
Published Date 1974/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204695
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私がこの本を手にしたのは,先輩が熱心に奨めてくれたからである。正直言ってこれだと思った。
母乳の必要性は,看護学院で教科書として使用した書物に,また医学関係の参老書などに,経済的である,無菌的である,先天免疫がある,常温である,などと書かれている。しかしこの程度のことで,どうしても母乳栄養にしなければという気を起こさないので,そんなに熱心に人に母乳栄養をすすめる気にはなれない。一通りのことは言えても相手の決心を変えるところまで説得する熱意を持ち合わせるところまでいかない。経済的にある程度恵まれ,消毒に留意し,常温に心がけ,研究を重ねた人工栄養の場合,それでも良いではないかという気になる。
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